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【オリキャラ長編小説】 オヤジ幼年期④

オリキャラ長編小説

【オヤジ幼年期④】

 

携帯投稿とは便利だねぇ

 

〔テルル視点、テルル、ルイス〕

 

留学してしばらくたったある日、朝起きたと同時に電話が鳴った。

 

だるい身体を起こして電話をとる。

 

テルル:…Hello?

ルイス:Hello,this is Lice Foust.

テルル:なんだ、兄さんか

ルイス:おはよう、テルル

 

電話の相手は僕の兄さんだった。兄さんはドイツで父さんの病院の助手をしている。

 

テルル:どうしたの、突然。なにかあった?

ルイス:今朝の新聞を見たところ…英国軍の実験台が脱走したらしくてね。

テルル:それと僕に何の接点が?

ルイス:…嫌な予感がするから気をつけろ。

 

嫌な予感、か。

 

テルル:わかった、気をつけておくね。

ルイス:じゃあ、またな。

 

静かに受話器を置き、肩の力を抜く。

 

正直な話、兄さんは苦手だった。いつも冷めていて、思考すら読めない。朝からそんな人物に電話をされては誰もが顔をこわばせるだろう。

 

テルル:今度は誰かが死ぬのかな?

 

 

兄さんの嫌な予感は、よくあたる。

 

留学の際、兄さんが飛行機に捕まって日本にやってきたあの真相は、ブラコンだからではない。

 

兄さんが嫌な予感を感じたからだ。

 

実際、機内食で集団食中毒の騒ぎになったりした。そのとき助けてくれたのが医者の卵であるルイス兄さんだった。

 

そのあと無銭乗機などの罪にとわれそうになったので誤魔化すために、ブラコンだからついウッカリ!とメディアに宣言し、罪を軽くして去っていった。

 

大腸菌をばらまいたのではないか。という疑いもたったが、日本にとっては外人であるルイスのブラコンだというコメントで事件の幕は閉じてしまった。

 

 

テルル:…まあ、いいか。学校に行こう。

 

 

 

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今朝のこともあり、周りを疲れきった目でみてしまう。誰がどうなるか、を考えてしまう。

 

鯖缶:おはようございます、テルル君!

テルル:うあっ!??

 

相変わらずこの人は。あれ、これってデジャヴ?

 

鯖缶:今日は元気がないですね、どうかしました?

テルル:いえっ…そのっ…

 

鯖缶は人の裏側をみることに長けていると、つくづく思う。

 

鯖缶:それより、学校はなれましたか?後でお話を聞かせて下さい!

テルル:は、はい…

 

 

今日こそは早く帰りたかったが仕方ない。そう自分に言い聞かせた。

 

鯖缶はというと、手を振って職員室へ向かっていった。

 

ふぅ、と溜め息をつくと急に後ろから肩に手をポンとおかれた。

 

テルル:はいっ!??

紗良:鯖缶、嫌なら私が追っ払ってあげようか。

テルル:さ、紗良さん?!紗良:反応が面白いね

 

 

鯖缶の天敵?の那月紗良が現れた!何度もみてきたが、こうして接触するのは初めてだ。

 

初めてであるからか、否か。話してこそ感じることがある。聞きたいことがある。

 

テルル:あの、紗良さん…貴方は…

紗良:どうして鯖缶を追っているのか、でしょう?

 

否、僕が聞きたいのは…

 

テルル:貴方は…本当に那月紗良さん…?

 

 

 

 

そのあとどうなったか覚えていないが、一つだけ記憶に残っていることがある。

 

彼女の本名は渚美樹。

 

テルル:渚…美樹…。

 

朦朧とした意識の中、僕は彼女の名前を呟き続けていたという。