オリキャラ長編小説①【オヤジ幼年期⑦】
【雪弥目線→要雪弥、テルル、暁陸斗、鯖缶、峰拓真】
鯖缶:さあ皆!今日の体育はクラスマッチの練習ですからね!
生徒:先生!今回の競技は何ですか?
鯖缶:ドッチボール
ザワッ
オヤジ少年期⑦
〜息抜きが息抜きじゃない〜
鯖缶:えっどうしたの?
生徒:いや、でも暁はいないし…練習では大丈夫…
鯖缶:暁…君?
ドッチボールという言葉を聞いてざわめく教室。
新任の鯖缶と留学生のテルルは皆が何故騒いでいるかが分からず、首を傾げるばかり。
雪弥:また地獄をみることになるとはな…
正直な話、自称冷静な俺でも内心ガクブルだ。
鯖缶:皆さん静かに!今日の練習の説明をします
静かにするように言われて、皆が鯖缶をみる
鯖缶:今日は当日に合わせてボールも二球。時間は五分。それと…合同練習です
生徒:な、何組と…
二組は駄目二組は駄目二組は駄目二組は駄目
鯖缶:えーと…確か…
二組は駄目二組は駄目二組は駄目二組は駄目二組は駄目二組は駄目二組は駄目
鯖缶:二組です
頭が真っ白になったことをよく覚えている。
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気がつけばコートの上。
雪弥:なぁ、俺は外野に行きたっ…なんだと!?
外野に行きたいと主張しようとして振り向くと、誰もいない。いや、数人はいるけれど…
雪弥:なるほどな、皆考える事は一緒なのね
外野をみるとクラスメートの殆どが外野にいるわけで。
鯖缶:ちょっ…外野は試合開始時は2人です!
生徒:先生…ルールと生徒、どちらが大切なの?
鯖缶:え?!
わかっている、皆がここまでして当てられることを拒む理由を。
雪弥:暁ィ…
陸斗:俺のせい…?!
雪弥:前ドッチボールしたとき俺と拓真以外の皆が病院送りになったことを知ってるか?
陸斗:誰がんなことを!
雪弥:貴様じゃこのバカツキ!!!
暁の運動能力は昔から異常だった。特にこのドッチボールは皆のトラウマになっている。
:まあまあ、雪弥。陸斗も悪気は無いんだよ!
俺達の仲裁に入ったコイツは峰拓真。前述のドッチボールで俺と共に何とか生き残ったやつだ。
雪弥:拓真、お前は優しすぎるんだよ…
拓真:そ、そうかい?
雪弥:褒めてねぇ!
鯖缶:ほらそこ、始まるよ
雪弥:鬼か!
まあ仕方ない。運良く外野も認められたしさっさと弱い奴に当てられて終わろう。
雪弥:テルル!暁以外に当てられて終わるぞ
テルル:わかった!
ふぅ何とか大丈夫そうだな…相手は誰がボールを…あ゛あん!!?
雪弥:おい死人出す気かバカツキ!!!
陸斗:俺は昔から手抜きが嫌いなんだよっ!!!
言葉を言い終えると同時に球を全力でなげる暁。
これはまた進化したな…当たった奴は全身打撲に骨折のおまけ付きだな
運動神経がいい方の俺達はボールを苦労しながらもよける。
テルル:何コレ…空気まで切れまくってる…!
拓真:へっ、俺が外野じゃなかったら体育館は粉々だ。コレをキャッチ出来る奴は限られてるのさ
テルル:あれを受け止めるなんて、凄い…
雪弥:これじゃ命が持たねー!最終手段だ
このドッチボールは二球使用だからな、俺は持っていたボールを構える…ヤツを目掛けて
雪弥:くらえ鯖缶!
鯖缶:えええ???!!
派手な音と共に倒れる鯖缶。狙い通り、気絶してくれたみたいだ。
雪弥:あっスミマセン、手が滑ってしまって
拓真:くらえ鯖缶って思い切り言ってたけどね
よし、これで授業は中止!助かったぜ
そう思ったのも束の間
テルル:ユキ、後ろ!
雪弥:えっ…?
副担任:雪弥君、後でじっくり話をきかせて下さいね?
忘れていたよ、副担任…
この後俺がドッチボールをするよりも酷い目にあったことは、俺しか知らない