オリキャラ長編小説①【オヤジ幼年期⑪】
【美樹視線→美樹、陸斗、マモン】
悪魔と戦って勝てる?
死ぬ覚悟をしていた。
時間稼ぎのつもりで。
神様は不公平。今でもそう思っている。
昔は、大好きだった友達が、なすすべなく死んでいったから不公平だと思っていた。
でも今は…
第11話〜神様は不公平〜
もう一度言う、神様は不公平だ。
これは悔やんでいるのではない、哀れんでいる。
この、“時間稼ぎ”の敗者を。
陸斗:悪魔って、もっと強いかと思っていたけどな
普通なら私達が負けているはずだった。だから雪弥にも、「時間を稼ぐ」と言った。
陸斗:あんた…こんなに強かったなら俺のサポートなんていらなかったよな
マモン:ねぇ…急に強くなったよね
陸斗:俺も戦いたかったぜ
陸斗はケロッとしていてマモンは今にも消えそうだった。
マモンが弱いんじゃない、私が強くなったのか。
陸斗:じゃあコイツ見張るか!
もし、あのとき。今くらいの力があったら…アイツは助かった…?
これだから神様は…助け舟が遅すぎるわ。
マモン:あー、メフィごめん負けちゃった☆
陸斗:メフィ?
マモン:メフィストフェレス、僕の友人さ。
美樹:あんたたちの目的はなんなの?
マモン:…さぁ、僕は面白そうだから協力しただけ。人間の迫害?かなぁ
陸斗:なんじゃそりゃ
目的が分からないまま作戦実行だなんて、計画性のないこと。
美樹:でもメフィには目的があるのよね…
マモン:そうだといいねぇ
美樹:…………。
陸斗:まあいい。それより、鯖缶は大丈夫か?
マモン:大丈夫だよっ!僕はメフィほど残酷ではないんだ
生きるがままに生きるマモンはどこか楽しげに、正直に質問に答えてくれていた。
暫くすると呻き声をあげながら鯖缶が起き上がった
美樹:大丈夫なようね…
マモン:でもラッキーは続かないものだからね!
美樹:?まあいい、私達もドイツに…えっ?!
陸斗:美樹!?
遅かれ早かれ、分かっていたこと。期限切れ
マモン:言ったでしょ、つまり。僕に勝てたのは不幸中の幸いなんだよ!
美樹:期限が…こういうときも神は…私を嫌うのね
徐々に身体は薄れていき、期限が近いと悟った
陸斗:どういうことだ…
マモン:美樹は人間を殺さないと生きれない特殊な
生き物。人間がご飯を食べるようにね
美樹:だからといって陸斗は殺さないわよ、大体顔も違うから!
陸斗:か、顔ォ?
美樹:世界には同じ顔が三人いるというわ。しかし会ったら死ぬ。何故なら、殺さないと私達ドッペルゲンガーは生きていけないの
マモン:でも一年で一人殺さないと死ぬ。それが今日。だから、美樹が消えたら戦力外の君を倒し、僕がドイツへ向かう。
私が強くなったのではない、マモンは力をセーブしながら戦っていた…!?
だとしたら勝ち目なんて…
陸斗:絶望したか?
美樹:えっ…?
陸斗:マモンも死にかけなんだ、これはハッタリをきかされているんだよ
美樹:そうか…じゃあ…
マモン:甘過ぎる、チョコよりも甘いよ君達ィ!
美樹:そうよ、相手は悪魔…逃げて陸斗!陸斗に取り憑く気だ!!
陸斗:俺は逃げねぇ!!!
マモン:なっ…?!
人間ってなにをするか分からない、不可解な存在
。でもその不可解が奇跡を呼ぶんだから、笑っちゃうわ…
陸斗:美樹、俺はアンタのそばにいるから…大丈夫
美樹:でもあの二人は?
陸斗:あいつらは大丈夫、信じてるからな…!
美樹:そうか…
陸斗の信じる力がマモンの力を破ったのだとしたら…次は神頼みなんてやめて自分の力を信じてみようかな