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オリキャラ長編小説①【オヤジ幼年期⑨】

 

【雪弥目線→要雪弥、テルル、暁陸斗、川上慎吾、渚美樹(那月沙羅)】

 

 

 

鯖缶:突然だけどドイツに行かせるわけにはいかないんだよね

 

雪弥:どうしても行くとしたら?

 

鯖缶:ちょっと痛い目にあいますが?

 

 

 

第九話〜飛行機の早さが異常〜

 

 

テルルを見捨てろといわれたような言葉に暁が血を登らせたらしい

 

陸斗:お前それでも教師か?生徒が困ってんだろ

 

鯖缶:君は体育バカの陸斗君か。私は雪弥君と話しているんだ

 

陸斗:なんだと?!

 

 

今にも殴りかかりそうな暁を止め、また鯖缶をみた。

 

 

雪弥:冷静になれ暁、鯖缶の様子が可笑しい

 

 

常に目を瞑っている俺だけがすぐに気付ける、微かな変化。

 

 

:御名答、流石雪弥君

 

 

急に背後から聞き覚えのある声がした。

 

 

雪弥:美樹…

 

美樹:忠告はした。これで私のこと信じてくれた?

 

雪弥:まあまあな

 

美樹:川上慎吾なんて変装の皮にすぎない。アタシがアイツを追いかけていた理由は、ちょっと中身に用があってね

 

 

鯖缶が中身に用があるという言葉に反応する

 

 

陸斗:展開が早すぎてついていけないんだが

 

雪弥:つまり。鯖缶はドイツで何かが始まるのを止めたくない。

 

美樹:だからそれを止めるアタシ達を動けなくしてしまおうってわけよ

 

雪弥:殺してでもな

 

 

言い終わると鯖缶…もとい謎の中身がニヤリと笑う。鯖缶らしくもない、不気味な笑みだった。

 

 

美樹:そろそろでてきたら?人間の身体では本来の力もでないよね

 

陸斗:人間の身体って…

 

雪弥:この前の黒い本は乗っ取られていた鯖缶のSOS信号だったってことか!

 

陸斗:てことは中身ってまさかだが、悪魔!?

 

鯖缶:よって、題意は示された。証明完了、だね♪

 

 

そういうと黒い霧となり鯖缶からたなびいて現れたのは、俺達と同い年くらいの笑顔が似合う青年。

 

 

マモン:悪魔のマモンといいます、ニャハッ!

 

 

完全に俺達を舐めている。これから何をするつもりなのだろう

 

 

美樹:雪弥、テルルとドイツに行って。陸斗と足留めするから!

 

雪弥:わかった。

 

 

美樹の戦闘能力はわからないが、暁がいるなら心配ないだろう。咄嗟に駆け出す。

 

 

マモン:ねぇ美樹ちゃん、今度こそ僕に勝てるとでも?

 

美樹:思っているわ!ま、まあとりあえず

 

マモン:近くに廃工場があるよ?

 

美樹:移動よ、陸斗君

 

陸斗:病院だからとはいえ細かいところで真面目だよなお前ら

 

 

―――――――――――――――――

 

 

空港に着くと同時に会った俺達は既に機内にいた。

 

 

テルル:雪弥、舌かむなよ

 

雪弥:えっ?

 

テルル:本来日本からドイツなんて、半日以上はかかる。

 

雪弥:つまり?

 

テルル:時間かかったら足留めもクソもないから

 

雪弥:成る程光の早さのチート飛行機か

 

テルル:死ぬなよ

 

雪弥:おまえもな

 

 

 

しばらくして目の前が真っ白になった